この記事は青年海外協力隊を目指す人(特に新卒)に向けた記事です。
(※この記事は2020年の2月に更新しました)
こんにちは。DKOです。
みんさんは何もかも捨てて、どこか遠くに行きたい思ったことはありませんか?
僕はあります。
大学4年生の時に就活をしたものの、全く上手く行かず悩みに悩んだ時期でした。
仕事に就けないなら、いっそのこと海外で暮らしてみるかあ
なんてぼんやり考えていました。
そんな時「JICA青年海外協力隊」の文字を電車の広告で見かけました。
と思った僕は特に深く考えもせず、受験をすることを決めました。
結果的に僕は面接試験までたどり着けず、書類審査で落ちました。
しかし今は
と心の底から思っています。
なぜ僕は青年海外協力隊に落ちたのか。
そしてなぜ今「青年海外協力隊に受からなくてよかった」と思っているのか。
今回は僕がJICA青年海外協力隊に応募した経験について話します。
JICA青年海外協力隊とは
青年海外協力隊とはJICA(独立行政法人国際協力機構)が主導するプロジェクトです。
簡単に言えば、日本人を発展途上国に派遣してその地域で活動をしてもらうというものです。
渡航費や生活費など諸々の費用はJICAが負担して、隊員たちはその地域でボランティア活動を行います。
青年海外協力隊の応募資格は、満20歳から満39歳で日本国籍を持つこととされています。
応募書類を提出し、面接に合格することで青年海外協力隊となることができます。
合格後は70日間の合宿を経て、途上国に派遣されます。
期間は2年で、自分のスキルを活かした活動を行うものがオーソドックスです。
その内容は多岐に渡り、農業から教育、地域開発からスポーツを教えることまで含まれます。
まあ詳しく話すと長くなるので、「発展途上国でボランティア活動をする」というものと考えてください。
詳しく知りたい方はJICAのHPをご覧ください!
私たちは、日本と開発途上国の人々をむすぶ架け橋として、互いの知識や経験を活かした協力をすすめ、平和で豊かな世界の実現をめ…
JICA青年海外協力隊の説明会内容
とりあえず何もわからなかったので、説明会に参加してみました。
場所は東京の大手町にある貸し会議室で行われました。
平日の夜ということもあり、結構多くの人が集まっていました。
100名以上の参加者がいました。
スーツを着たサラリーマン風の人から、髪を染めた大学生風の人まで様々な人が集まっていました。
その日の流れは、VTRでの説明とそれぞれの職種に分かれての説明、そして個別相談でした。
結構厳しいことを言われたこの説明会ですが、学んだことを以下に書いて行きます。
コミュニティー開発は高難易度の理由
コミュニティー開発とは、簡単に言えば「村おこし」です。
現地の住民と共に、多岐にわらる地域の課題を解決するのが主な業務になります。
ではなぜ僕が、コミュニティー開発を希望したのか。
それは「僕にもできそうだったから」という単純な理由です。
青年海外協力隊で募集中の職種は実務経験や、社会人経験が必須とするものが多いのが現実です。
その中で大学生でこれといったスキルも経験がない僕が応募できそうなのがコミュニティー開発にしかありませんでした。
しかし同じようなことを考える人は多いようで、倍率は他の職種と比べてもかかなり高いそうです。
講師の方の話で一番心に残ったのは

コミュニティー開発職は特定のスキルを必要とはしません。
しかし裏を返せば様々なスキルが必要になるのがコミュニティー開発です。
「これをしなさい」という目標もなく、自分で考え、現地にインパクトを与えることは決して簡単な職務ではありません。
むしろ「柔道を教える」や「農業を手伝う」など役割がはっきりしていた方がよっぽど楽です。
だからこそ自分で明確な目標を持ち、それを支える情熱があることが必須条件になるのです。

という講師の言葉が胸に刺さりました。
語学力は最低限でOK
僕の唯一の取り柄である語学力は残念ながら、ほぼ考慮されません。
途上国は訛りが強かったり、マイナー言語の場合も多いため英語などができてもあまり役に立たないらしいです。
ちなみに派遣先の言語は派遣前の研修でみっちり叩き込まれるらしいです。
青年海外協力隊に向いている人は情熱を持って働くことができる人です。
決して高学歴の語学に長けた人ではありません。
「語学ができるから」という理由のみで青年海外協力隊に選ばれることはありません。
新卒でも隊員になれる!けどかなり稀
新卒、つまり大学を卒業してすぐに協力隊員になる人もいます。
しかしその数はとても少ないです。
経験がゼロに等しく、スキルも未熟で社会に出てすらいない人が隊員になることが難しいことは当然でしょう。
個別相談の際にも

とアドバイスされました。
普通の就活では新卒であることはメリットです。
しかし青年海外協力隊では新卒は「スキルも経験もなく使えない」というレッテルを貼られることもあります。
よほど強い熱意か、特出したスキルがなければ新卒で青年海外協力隊に採用されることは難しいでしょう。
エントリーシート
説明会を受けた後はエントリーシートの作成に取り掛かりました。
項目は以下の通りです。
- ボランティア活動に参加する動機、抱負について記述してください。
- ご自身が考えるボランティア活動の意義、目的を記述してください。
- この職種を選択した理由
- この職種に対するご自身の経験(実務等)、技術適合性(セールスポイント)を具体的に挙げ
記述してください。 - この職種に携わる際に想定されるご自身の弱点を記述してください。
- 自己PR
- 実際に派遣された場合、どのようなボランティア活動を行いますか?
- 帰国後、参加経験をどのように生かしたいか記述してください。
- 帰国ボランティアの体験談や報告書等で心に残るエピソードを記述してください。
僕はNPOで学習支援の経験があったので、それを踏まえてアフリカで数学を教える職を希望しました。
英語に加えてフランス語も少しできること、いろんな国に訪れたことや留学経験もアピールポイントでした。
でもまあ無理ですよね。
教員免許も持っていないし、経験も無く、そもそも志望動機がはっきりしていませんでした。
書けば書くほど
と思ってしまうほどでした。
それでもなんとか完成して提出をしました。
僕が青年海外協力隊に不合格になった理由
予想通り(?)にエントリーシートの時点で不合格でした。
当時はちょっと落ち込みましたが、僕が落ちた理由は大きく2つあると考えています。
青年海外協力隊は泥臭く、熱い人がなるものだから
ぶっちゃけ青年海外協力隊なんて非効率で意味なんてほぼありません。
だって途上国にたった1人の素人の日本人がいったところで何にも変わりませんよ。
「青年海外協力隊は国際協力ではなく、国際交流だ」なんて皮肉もあるほどです。
同じ金を使って物資を送るか、現地の人を招いて教育する方がよっぽどかマシです。
そのため一定数の隊員が現地で自分の無力さと意味のなさに絶望し、任期途中でも帰国します。
しかしその状況下でも諦めず、泥臭く働くことができる人を青年海外協力隊は求めています。
僕は基本的に効率と成果を重視する人間です。
自分を犠牲にしてでも人に貢献したいなんて全く思っていません。
そんな僕みたいな人はそもそも青年海外協力隊なんて向いていませんね。
青年海外協力隊が手段ではなく、目的になっていたから
青年海外協力隊は「〇〇を成し遂げたい!」という願いを叶える手段にすぎません。
しかし仕事を辞める言い訳だったり、辛い現実からの逃避を目的に青年海外協力隊に応募する人は多いそうです。
そういった人は「青年海外協力隊になること」がゴールになっているのです。
実際に僕もなんとなく青年海外協力隊が魅力的に見えたから応募しました。
今考えると就活もしない僕は、周りの「今は何してるの?」と言う当然の疑問に応えるためのアリバイが欲しかっただけなのです。
ここでも僕は就活と同じで「青年海外協力隊になること」がゴールになっていました。
青年海外協力隊はなることよりも、現地での生活の方が何倍も苦しいのです。
その苦しい時に、「青年海外協力隊」がゴールになっている人はとても2年の任期を全うできません。
- なぜ青年海外協力隊に行きたいのか。
- そしてそれは青年海外協力隊でないとできないのか。
その答えがみつからなければ、そもそも応募しないほうがいいでしょう。
「青年海外協力隊に受からなくてよかった」と僕が思う理由
僕は「青年海外協力隊に受からなくてよかった」と心のそこから思っています。
それはなぜか。
どう考えても僕のキャパシティを超える仕事だからです。
「遠い異国の地でボランティア活動をする」とすれば聞こえがいいです。
楽しそうなイメージや自由そうなイメージもあります。
でも本当にそうですか?
胸に手を当ててもう一度考えてみてください。
電気も通らず、言葉も文化も違う国で、一人で役に立つかもわからない仕事も黙々と続ける。
コンビニもなければ、Amazonも愚痴を吐く友達もいない。
僕には無理です。到底できません。
冷静に考えてみると、いかに自分が無謀な挑戦をしていたかがわかります。
今の東京での生活が楽しいからこそ、余計にそう思えるのかもしれません。
これから青年海外協力隊を志願する人、そして僕と同じように新卒で応募をする人は
・今の便利な生活と人間関係を捨ててまで、本当に自分は発展途上国でボランティアがしたいのか?
・青年海外協力隊を志望する動機に、「逃げ」の理由はないのか?
ともう一度問いかけてみてください。
どちらの問いにもYES!と自信満々に答えられたなら、ぜひ青年海外協力隊を目指してください。
それでは!