この記事はユタ州に留学予定の学生、モルモン教に勧誘された経験がある人に向けて書いてあります。
(※この記事は2020年1月に更新されています)
こんにちは。DKOです。
みなさんはキリスト教の一派である、モルモン教についてご存知ですか?
ひょっとしたら
「ユタ州に留学するからモルモン教について知りたい!」
といった人や
「なんか街で変なスーツを着たアメリカ人に勧誘された!」
という人がこの記事をみているかもしれません。
モルモン教は日本ではマイナーな宗教のため認知度も低く、情報も豊富ではありません。
しかしモルモン教についての情報を知っておくことで、アメリカでも日本でもトラブルを避けることができます。
僕は大学生の時にユタ州に留学して、同じ寮でモルモン教徒の方々と半年間暮らした経験があります。
今回は謎に包まれたモルモン教徒について、僕の経験からお話したいと思います。
モルモン教ってどんな宗教?
モルモン教の正式名称は末日聖徒イエス・キリスト教会(The Church of Jesus Christ of Latter-day Saints)でLDSと略されることもあります。
この記事ではモルモン教と呼ぶことにします。
モルモン教の成り立ち
〜1800年ごろ〜





モルモン教の成立後

ちょっと変?モルモン教の教え3つ
避妊や婚前交渉の禁止
モルモン教は避妊が禁止されています。
そのため、子どもがどんどん生まれてきます。
モルモン教が日本で広まれば、少子化問題が解決する可能があるかもしれませんね。
僕のルームメイトもなんと6人兄弟でした。
モルモン教徒で3人兄弟だと、少し少ないな・・・という感じを受けるほど子沢山な家族が多いです。
また、婚前交渉も固く禁じられているため、モルモンカップルはプラトニックを貫き通します。
結婚するまではSEXは禁止ということです。
ちなみにキスまではOKなので、モルモン教徒の若いカップルはキスにめちゃくちゃ熱心らしいです(ルームメイト談)
というのもモルモン教にとっては、性交渉は楽しむものではなく、神聖な儀式と受け取られていることが理由です。
ちなみに自慰行為も固く禁止されています。
アルコール、タバコの禁止
アルコール、タバコもモルモン教では禁止です。
そのためユタ州にはバーなどお酒やタバコを楽しむところはほとんどありません。
また、僕はモルモン教の友達の車にスーパーで買ったビールを乗せたら明らかに不機嫌になった経験があります。
アルコールをそもそも不浄なものとして考えているのでしょう。
モルモン教の人と買い物に行く場合は注意しましょう。
ただし医療目的の仕様はセーフらしいです。
また飲酒目的ではなく料理を作る際の料理酒も許容されていました。料理酒がダメならレストランに行けなくなってしまいますね。
収入の10%を献金
モルモン教とは収入の10パーセントを教会に納めなくては行けません。
10パーセントはかなり大きいですよね。僕なら断固として拒否します。
そしてそのお金が教会の建設費用や、世界中への布教活動、選挙活動に当てられます。
まず教会についてです。
僕も一度だけ行ったことがるのですが、モルモン教の教会はとても大きく煌びやかです。
他の宗派は昔ながらの古い教会を使っているところが多いのですが、モルモン教の場合は金に糸目をつけずガンガン教会を建築しています。
そのお金は信者のお布施から出ているということでしょう。
またあとで詳しく書きますが、世界中への布教活動費用もこのお金が使われています。
そして2012年にその潤沢な資金とモルモン教徒の投票により、モルモン教徒のミット・ロムニー氏が大統領選挙に出馬したこともあります。
バラクオバマ元大統領に対して善戦したことからも、アメリカにおけるモルモン教徒の影響力が伺えますね
誤解されていること2つ
モルモン教について誤解されている戒律が2つあります。
1つはカフェインの摂取の禁止です。
この戒律は以前まであったのですが、今は禁止ではなくなっています。
積極的にコーヒーを飲むモルモン教徒は少ないですが、勧められたら口をつける程度には嗜むようです。
ちなみにユタ州にもスターバックスは何店舗もあり大人気です。
僕の住んでいた市にも、スタバがあって驚きました。
2つ目は一夫多妻制です。
これもモルモン教の特徴の一つとして挙げられていますが、これはもちろん今は禁止されています。
アメリカの法律で正式に一夫多妻制の禁止が定められて以来、モルモン教徒も法律に従っています。
ちなみに同性愛者や黒人にも否定的な見解を出していたモルモン教ですが、今は同性愛者も黒人も否定はしていません。
時代の流れによって、考えを柔軟に変えているようですね。
モルモン教徒ってどんな人? どう思われているの?
では、実際にモルモン教の人はどんな人なのでしょうか?
モルモン教徒と生活しなくてはならない人は気になりますよね。
モルモン教徒=白人の隠キャ
モルモン教の人たちは簡単に言えば隠キャです。
教室の隅で、アニメについて語っているタイプの人間です。
もしくは、大学の食堂でカードゲームをしてるタイプの人です。
その理由は、やはりユニークな信条にあると僕は考えています。
イケイケのアメリカ文化の中では、基本的に「ワルい」人がカースト上位にいます。
それは日本も変わらないかもしれませんが。
アルコールだめ!
タバコもだめ!
セックスもNG!
日曜日?教会だよ!
みたいな人がいれば、確かにクラスの人気者にはなれないでしょうね。
モルモン教徒はマイナスイメージ
モルモン教徒であることは、アメリカではあまり良いイメージではありません。
もちろん、アメリカでは宗教や人種の差別に対する意識がかなり高いため公然と批判する人はいません
しかし、モルモン教徒が「ダサくて」「変な」人たちと思われていることは間違いありません。
その証拠に僕がユタ州に留学をしていたと話すとアメリカ人は必ず苦笑しますし、「あなたはモルモン教ですか?」と尋ねるとかなり嫌がられます。
しかし逆に言えば、穏やかで物静かな人も多いことも事実です。
ユタ州はアメリカの中でもかなり安全な州に属していますが、モルモン教徒のお陰でしょう。
攻撃性はゼロなので、そこは安心してください。
モルモン教の勧誘の3種類の手口
モルモン教といえば、その勧誘でも有名ですよね。
ひょっとすると、勧誘された経験のある人もいるかもしれませんね。
モルモン教ではある年齢になると信者は世界各地に布教活動を行うために2年間派遣されます。
僕のルームメイトはチリに派遣されましたが、日本でもご存知の通り布教活動は行われています。
基本的には無害なのですが、時に悪質な方法での勧誘もあるので特にユタ州に留学する人は気をつけましょう。
僕が知っている範囲でのモルモン教の日本人に対する勧誘手口はいくつかあるので紹介します。
突然話しかけ作戦
駅や街角で突然話しかける作戦です。
これは日本でもよく行われている方法で、実際に僕も東京で経験しました。
こんな感じのスーツを着た白人の二人組が話しかけてきたら、まずはモルモン教の勧誘を疑いましょう。
ちなみに自転車で移動しているのは交通費節約のためです。
話しかけ方としては
「その靴いいね」
「これからどこに行くのですか?」
などカタコトの日本語か英語で話しかけてきます。
無視されたらそれまでなのですが、話が弾めば頃合いを見て
「今度遊びに来ない?」
と言ってモルモン教のビラを配るのです。
日本人は宗教に関して否定的な方が多いので、最初の時点でモルモン教と打ち明けることはまず、ありません。
特に興味がない人は、ついていかないようにしましょう。
ちなみに日本に赴任していたモルモン教徒に話を聞くと、日本人は断るのが苦手なため教会に呼ぶまでのハードルはそこまで高くないとか。
無料英会話教室作戦
日本人に一番効果的なのは、無料英会話教室を開くことのようです。
無料英会話教室を教会で開いて、そこに人を呼び勧誘するシステムです。
日本人は英語自体にはとても強い興味があるので、上手い勧誘方法だな〜と感じました。
英会話教室に通っているうちに少しずつ仲良くなり、最後にはモルモン教に勧誘するのがセオリーです。
ちなみに英会話教室はそこまで本格的なものではなく、参加者同士で英語を話すことがメインになるそうです。
聞くところによると、「絶対にモルモン教徒にはならない」と宣言して英会話教室に通う強者もいるそうです。
しかし皆さんは無料英会話と聞いたらまずは疑うようにしましょう。
日本人留学生サポート作戦
ユタ州に留学にいく日本人は(少ないでしょうが)、絶対に気をつけて欲しいのがこの方法です。
アメリカに留学して日の浅い日本人留学生に対して、日本が話せるモルモン教徒が接触して来るのです。
アメリカで言葉が通じず不安な日本人の心に漬け込む卑怯な勧誘方法です。
車も持っておらず英語も拙い留学生にとって、英語も日本語も話せて車であちこち案内してくれるアメリカ人はとてもありがたい存在です。
しかし最初はそんな様子を見せないのですが、仲良くなるにつれ勧誘モードになってきます
- 「買い物に連れて行く」といって教会に連れていく
- 「僕の家に来なよ!」といって、家に連れ込んで、家族総出で宗教勧誘する
- 「僕が大切なら、一緒に来てよ!」と感情に訴える
などは僕は実際に経験しました。
ここで
無理やりではなく、納得の上であることを祈るだけです。
それは日本人は英語が下手で、また断ることが苦手であることが原因です。
日本人は英語が苦手なため、友達も作りにくく、日常生活でも困難があります。
そんな時に日本語を理解してくれるアメリカ人の友達ができれば、どれだけ嬉しいことでしょう。
誰でもきっと頼りにしてしまうことでしょう。
そんな時に「教会に行こうよ!」なんて言われても
もちろんモルモン教徒には純粋に優しい人も多いです。
しかし、勧誘目的日本人に近づいてくるモルモン教徒も一定数います。
ユタ州へ留学予定の人は気をつけるようにしましょう。
まとめ
モルモン教は日本でも積極的に勧誘活動をしている宗教です。
宗教自体にとやかく言うつもりはありませんが、少なくともその勧誘の仕方はかなり巧みと言えるでしょう。
という状況を避けるためにも、モルモン教をしっかりと理解する必要があります。
そして興味がなければ最初の段階でしっかりと見極めて断る必要があります。
モルモン教徒の中にも人としては良い人もたくさんいるので、上手に付き合って行くのがベストでしょう。
それでは!