この記事はキーエンスへ内定を目指す就活生に向けて書いています。
(このページは2020年の1月に更新されました)
どうも、ワーキングプアのDKOです。
お金、欲しいですよね。僕は欲しい。
今は薄給の職場で働いているので、高収入の仕事が羨ましくて仕方がない。
そんな僕は、就活時には給料とネームバリューだけで受ける企業を決めていました。
※だから無い内定だったんですよね。知ってます。
外資の有名企業は新卒でも高年収が保証されているとの話も聞きましたが、チキンな僕は
その中で僕はふと疑問に思いました。
「日本で一番給料がいい会社ってどこ?」
皆さんもググってみてください。すぐに答えはわかります。
そう、皆さんご存知キーエンスです。
大阪に本社を置く、精密機械メーカーとして有名です。
『就職四季報2019年版』(総合版)によると掲載会社1293社のうち平均年収が公開されている1113社のなかでもっとも平均年収が高い2088万円となっていました。
「30代で家が建ち、40代で墓が立つ」
「マニュアル徹底主義」
不穏なワードはネットでキーエンスを調べれば出てきますが、実のところネットにも詳しいことは書いていないません。
それもそのはず、キーエンス自体が徹底的な秘密主義で自社のことを大っぴらに説明することがほぼないからです。
そこで僕は
と思い、実際に受けてきました!
新卒採用情報と、僕の実際の体験談をまとめました。
ここがポイント!会社概要
キーエンスは、精密機械を扱う、機械メーカーの会社です。
商品は全て個人ではなく、企業に卸しているため、いわゆるBtoB企業の括りになります。
そのため一般への知名度はさほど高くありません。僕も含めて多くの人が、就職活動を通して初めて名前を知ることになるでしょう。
それでは、キーエンスの概要についてまとめます。
「世界初」「業界初」のモノづくり
キーエンスって何を作っているの?と疑問に思っている人もいるかもしれません。
実際、キーエンスの商品は多岐に渡ります。
例えば車でいえば
・エンジンの振動の検診
・ボディの傷、打痕の検査
・タイヤの振れ幅の検査
例えばスマホでいえば
・パッケージの印字抜けの検査
・ディスプレイの厚み検査
・リチウム電池への文字の印字
などです。
まぁなんとなく、センサーやレーザーを使って物を検査することと捉えてOKでしょう。
キーエンスの作る新商品のなんと7割が、「世界初」や「業界初」です。
その圧倒的な技術力がキーエンスを支えているのです。
ちなみにキーエンスは、自社工場を持たない「ファブレス経営」です。
商品を開発はするが、実際の生産は別の会社が行うことで、研究開発とブランド維持に資金を注ぐことができます。
Appleが典型的なファブレス経営と聞けば、イメージしやすいかもしれません。
過去25年の平均成長率は10%超
0~5%の成長率であれば、優良と言われる成長率の中で、この数字はクレイジーです。
小さなベンチャー企業がある年に急成長することはよくありますが、これほどの大きな企業が25年間も10%づつ成長していくのは、前代未聞です。
営業利益率54%、無借金経営
営業利益率は、簡単にいえば企業の稼ぐ力と思ってください。大企業で1%程度と言われています。
それが54%。もう意味がわかりません。
実際にそんなことが可能なのか。まあ可能だからこうして記事にしているわけですが。
「そんな従業員に金払って、経営は大丈夫なの?」という心配の声も吹き飛ばします。
また、キーエンスの特徴として無借金があります。
銀行からの借り入れはおろか、社債すら発行していません。
自己資本だけで、会社を回しているのです。
これは不確かな情報ですが、キーエンスの創業者の滝崎さんは2度起業に失敗した経験があり、それが現在の経営方針に繋がっているそうです。
借金をせずに、毎年10%づつ成長すれば最強の企業になる!
なのは当たり前なのですが、それを実現させることができるとは・・・驚きです。
ここまでは驚きのキーエンスの企業情報をまとめましたが、次は気になる新卒採用情報です。
新卒採用情報
新卒の採用条件は以下の通りです。
新卒採用人数 | 月収(学部卒) | 月収(修士了) | 男性比率 |
210名程度 | 20万5000円 | 22万5000円 | 86.8% |
毎年200名〜210名を新卒として採用しています。
職種は
主に営業を行うビジネス職
研究、開発を行うエンジニア職
人事や経理を行うS職
に分類されます。
採用人数としては、そこまで少なくないので、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。
次にお給料の話です。
月収を見たときに「え?低くない?」って思いますよね。
僕も思いました。
しかしよく見ると、賞与(ボーナス)が年4回もあるのです。
弊社なんて年に1回、雀の涙のボーナスがあれば泣いて喜ぶのに、年4回もボーナスが振り込まれるってどんな気分なんでしょうね。
だからこそ平均年収2,000万円越えが実現できるのでしょう。
強いて注意点を挙げるとするならば、男性の比率でしょう。
男性比率が86パーセントとかなり高い数字を出しています。
キーエンスには大きく3つの職種があります。ビジネス職、エンジニア職、S職それぞれの社員インタビューをご紹介します。…
サイトを見てもらえば、わかりますがビジネス職は男性ばかりなのに比べて、S職(事務職)は女性ばかりです。
役員の女性比率も0パーセント、つまり1人もいません。
また、HPを見る限り事務職の女性には制服の着用義務があるようです。
「男が働き、女が支える」的な風土がある企業であることは間違い無いでしょう。
また役員に女性がいないことを考えても、女性がどんどん出世することは難しいのでは無いでしょうか。
最後にキーエンスの求める人物像ですが、これは明示されていません。
採用サイトによると
理由は面接や選考でその点を意識してしまい、学生の皆さんの本来の姿が見えなくなることを懸念しているためです。(採用サイトより)
と説明されています。
ありのままの自分で面接を受ければいいようです。
まぁ少なくとも、生意気な僕は逆立ちしても内定はもらえそうにありませんが
逆に
公平・公正の観点から、キーエンスの役員・社員と三親等以内(子女、兄弟 姉妹、甥姪等)の方はご応募いただけません。(採用サイトより)
とも書かれているので注意しましょう。
さて、ここまではキーエンスの情報について書きましたが、最後に僕がキーエンスを受けたときのことを書いていきます。
もし僕が気軽に就活を相談できていれば、ここまで苦しまなかったかも!?
会社説明会
僕がキーエンスを受けたのは2018卒の時でした。
冷やかし半分でエントリーをしましたが、予想外のラッキーなことが。
それは「エントリーシートが必要ない」ということです。
誰でも説明会に応募できて、その説明会で簡単な選考を行うのです。
どうやらこの方式は2020年も変わらないようです。
という訳で、お台場にあるキーエンス東京本社に説明会のために行きました。
社内の会議スペースに椅子と長椅子が並べられて、所狭しと100名ぐらいの就活生が座っていました。
参加している学生はやはり体育会系のガタイのいい人が多かったように感じました。
おかげで余計に会議室が狭く感じられました。
説明会はキーエンスの働きかたについてのビデオを見た後、学生と社員との間で質疑応答があるシンプルなものでした。
ビデオではスイスで働く日本人社員の一日を見ました。
ちなみに出会ったキーエンスの社員は判を押したように
こんな人ばかりでした。髪型も肌の色もスーツも同じなのは驚きました。
説明会では有益な情報を聞くことができたので以下にまとめました。
徹底的な合理主義
キーエンスの高収入は徹底的に無駄を省いた合理主義にあります。
BtoBの企業のためCMは打たないし、無駄に講演会を開き知名度を広げることもありません。
創業者の滝崎さんも表舞台に全く立たないため、Wikipediaにも、全く情報が載っていません。
ちなみに2019年には、滝崎さんは、米経済誌フォーブスが伝える日本の富豪3位にランクインしており、資産は163億ドル(当時の換算で約1兆8,200億円)だそうです(Wikipediaより)
僕ならテレビにバンバン出たくなるところですが、合理主義はここにも徹底されています。
社内での催し物もなければ、なんと接待も飲み会もないそうです。
日本企業にありがちな、無駄の多い業務と全くの逆ですね。
マニュアル第一
キーエンスでは顧客の真の課題を理解して、解決することを第一にしています。
顧客の欲しいというモノは創らない
というフレーズがキーエンスのサイトにあります。
お客様が欲しいものではなく、お客様に役に立つものを創るとまで言っているのです。
そこまで顧客の深層ニーズを深掘りするテクニックは、全てノウハウとしてマニュアルに詰まっています。
そう、キーエンスではマニュアルを守ることが第一なのです。
電話での話し方や、顧客との対話のロールプレイングをなどを新入社員は繰り返し練習します。
説明会ではロールプレイングのチェック項目を見せてもらいましたが、目線の位置など「そこまで細かく見るのか」と驚きました。
新入社員は深夜まで先輩に付き添ってもらって練習を繰り返す様子を説明会のビデオで見ました。
キーエンスの営業マンは新卒でしかなることができません。それはこのノウハウを徹底したマニュアル主義で叩き込むためなのです。
無駄な残業、休日出勤はしない
基本的には21時45分退社が基本だそうです。(労基的には大丈夫なんでしょうか・・・?)
一方でそれ以上の残業や休日出勤はほとんどないと社員の方はお話されていました。
具体的には全社員10時までには強制退社で、持ち帰りの仕事も禁止されています。
また、夏と冬には9連休が公休とは別に設定されています。さらに長期休暇には特別手当が給料とは別に出されるのです。
働く時に働き、休憩はキチンととる。「仕事も遊びも全力で」がモットーらしいです。
社員還元の原則
高収入で有名のキーエンスですが、そのカラクリはこの原則があるからです。
「人件費は経費にあらず」という有名なモットーにより、とにかく社員に還元することを第一に考えているためこの給料になったとか。
株主よりも投資よりも先に社員に還元することはなかなかできることではないですよね。
世の中の企業が同じ考えでいてくれたらなあ・・・と思ってしまいますね。
15秒自己紹介
説明会の後は、15秒自己紹介を行いました。
※現在は20秒に伸びているかもしれません。
社員さんがタブレットで撮影している中、学生一人ひとりが自己紹介をして行きました。
これはキーエンスの採用名物らしく、おそらく今後も続いていくでしょう。
キーエンスの営業の根幹である目を合わせて話すことができるかどうかを試しています。
一応採用プロセスのステップらしいのですが、社員さん曰く
「よほどのことがない限り落とさないから、リラックスして受けてください」
とのことでした。
1次面接
後日1次面接を行いました。
説明会が行われたお台場にある東京本社が会場でした。
まずは待合室に通されフェイスシート(簡易版エントリーシート)の記入をさせられました。英語力や学歴、留学や休学の有無などを書き込みました。
海に面しているので待合室の眺めもとても良かったです。
余談ですが、受付のお姉さん方が皆めちゃくちゃ美人でした。
制服を来ていたので、おそらくS職(事務職)の人でしょう。
皆さんスーツを着用しているのですが、それでも美しさ可愛さは飛び抜けていました。
噂に違わずキーエンスは顔採用をしているのでしょうか。
説得面接
さて、面接についてですが学生3人に対して面接官が1人の形態でした。まずは一人づつ自己紹介をして、そのあとに面接がスタートしました。
いわゆる「説得面接」と呼ばれるもので、反対の意見を持つ面接官を説得するというものです。
「IH派の私にガスコンロを進めてください」や「ネットショッピング派の私に実店舗での買い物を進めてください」などのお題が出て、1分間で説得しなくてはなりません。
特に考える時間も与えられず、その場で考え論理的に話すことが必要になってきました。臨機応変な対応力や瞬発力を見ているのでしょう。
ただこちらが一方的に話すのではなくて、面接官から情報を聞き出したり反論に答えたりしなくてはなりませんでした。
僕を含めて3人ともが面接官を納得させることはできませんでした。
何を話しても、「でもねぇ」と返されて為す術もありませんでした。
そしてそのまま僕は残念ながら1次試験で落ちてしまいました。
2次面接と最終面接
僕は残念ながら、1次面接で落ちてしまいました。
しかし、キーエンスは採用面接の内容を長年変えておらず、ネットに情報があったためこちらに共有しておきます。
カメラ面接
2次面接はいわゆる「カメラ面接」と呼ばれています。
面接では学生1人に対して面接官2人で、その2人の間にビデオカメラが置かれています。面接の様子などはすべてこのカメラに撮影されます。
面接自体は比較的オーソドックスなものですが、「あなたが経営者になったらどんな社訓をつくる?」など変わった質問もあるようです。
この社訓についての質問はよく聞かれるらしいので、覚えておきましょう。
この試験で、多くの受験者が落とされるそうです。
最終面接
最終面接はオーソドックスな人事と1対1での面接です。
他社の選考状況と3次選考の際の性格について、そして「選社の軸」を深堀りされます。
最後はやはり、その人の奥深くまで探って内定を出すがどうかを決めます。
以上が僕がキーエンスを受けた記録のまとめです。
キーエンスは面接内容がユニークで、また長年大きな変更をしていないので受験者にとっては参考になると思います。
最初は胡散臭いイメージでしたが、調べるととても魅力的な会社だとわかりました。
もし受験をする人はチャンスだと思って頑張ってください!
それでは!