【これでスッキリ】竜とそばかすの姫が「ひどい5つの理由」を丁寧に解説

この記事は「竜とそばかすの姫」が映画としてひどい理由を丁寧に解説した記事です。
「竜とそばかすの姫を見たけど、なんとなく面白くなかった」「どうしてアンチレビューばかりなんだろう?」と考えている方に向けて書かれています。

※この記事は2022年9月に更新されました。

どうも!DKOです。
早速ですが、竜とそばかすの姫はクソです(断言)

僕も様々なアニメ、映画を見てきましたがここまでひどい映画は「ナラタージュ」以来です笑
僕がここまで酷評するのは監督の細田守に期待をしていたからです。
それが完膚なきまでに裏切られました。

こんなひどい映画作るなら辞めてしまえ!!
と言いたいほどです。

今回はなぜ、巷で竜とそばかすの姫が「ひどい」と評されるのかを解説していきます。

【2022年9月23日 地上波放送】竜とそばかすの姫とは

竜とそばかすの姫」公式サイト

「時をかける少女」、「サマーウォーズ」などで有名な細田守が監督・脚本を務めたアニメーションで、2021年7月16日に東宝配給で公開されました。

興行収入は66億円で細田守監督の作品としては最高です。
声優も成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りらなど若手俳優や歌手を登用して注目を集めました。

内容としては、インターネット仮想世界〈U〉で有名な歌姫になってしまった田舎に住む主人公・すずと、仮想空間で忌み嫌われる竜の姿をした謎の存在と関係を中心とする物語になっています。

現在はAmazon Primeでも見れるほか、2022年9月23日に「金曜ロードショー」で地上波初放送される予定です。

竜とそばかすの姫の評価できる点

これから酷評をするわけですが、その前に評価できる点も話さなければフェアじゃありません。

竜とそばかすの姫は音楽や作画の良さは「さすが」と褒めるしかありません。

声優初挑戦ながら、主人公・すず役を演じた中村佳穂さんの歌声は素晴らしかったです。
作曲はバント「King Gnu」の常田大希さんを中心とした「millennium parade」が行い紅白歌合戦にも出場しました。
楽曲が印象に残った人は多く「竜とそばかすの姫 歌」などがサジェストとして出てきますね。

そして作画も文句の付け所がありません。
特に田舎の風景や女子高生を描かせて細田守の右に出るものはいませんね。
あの田舎のノスタルジーな感じや、女子高生の「初々しさ×可愛いらしさ×ちょっとダサい」は細田守にしかできない演出だと思います。

・・・以上で竜とそばかすの姫の良い点は終わります。

竜とそばかすの姫が「ひどい」と言われる5つの理由

細田守監督の最新映画「竜とそばかすの姫」2021年7月公開!

さて、なぜここまで竜とそばかすの姫がひどいと言われるのでしょうか。
音楽と作画は完璧。ひどいのはその内容です。
ひとつひとつ説明していきます。

理由1:虐待の現場に子どもが1人で行く危険性がわかっていない

虐待の現場に主人公1人で行くシーンには誰もが「は?」と思ったことでしょう。

こちらの記事に詳しく解説が載っています。

ねとらぼ

細田守監督最新作「竜とそばかすの姫」レビュー。…

虐待の可能性がある場合は行政に通報し、対処を待つことが原則になります。
しかしこの映画では、なんと主人公・すずが高知から東京まで虐待されている子を助けに行くのです。

いやいやいや。

まず女子高生が虐待の現場に1人で行く危険性が細田守監督は全くわかっていません。
僕は僕は児童福祉に関わる仕事をしているので、余計にこのシーンに憤りを感じました。
通常は虐待の疑いがある家庭には、専門的な職員が2名以上で訪問をします。

それを女子高生が1人で行く?あり得ません。普通に想像したらわかることでしょう。
危険なだけではなく、逆効果ですし、何の解決にもなりません。
その場に言って見ず知らずの女子高生が「虐待はやめなさい!」と言って「はい、わかりました」とはならないでしょう。
まぁこの映画では実際にそうなったのですが笑

100歩譲って女子高生に叱られて納得する親がいるとして、その後はどうするつもりですか?
明日から虐待がなくなりますか?来月は?来年は?
虐待がなくなるまで主人公が東京に住めばいいのですか?

ありえないでしょう。

もし虐待されている子どもが沖縄や北海道だったら?
離島だったら?
アメリカやフランスだったら?アフガニスタンに住んでいたら?
そもそも、50億人ユーザーがいて虐待されている子どもが日本人で東京に住んでいるなんて都合が良すぎませんか?

あまりに想像力がないと言わざるを得ません。
よくそんな想像力で監督ができるな・・・と感心しました。

さらに、「私たちはすずの母親代わりだから」と自負する主人公・すずの周りの女性たちも何の疑問もなく主人公を東京に送り出します。

「一人で行くって言うから仕方ないよね~」
じゃねぇーんだよ。
母親失格でしょ笑
自分の高校生の娘を虐待の現場に一人で送る母親なんていないでしょ。
せめて、せめて一緒に行くぐらいはしてよ。

あと余談ですが、主人公は深夜バスで東京に向かいます。
いや、チンタラしすぎ!
緊急で衝動的に行くシーンなのに深夜バスって・・・
行く途中に「いや、私1人で行っても危険なだけじゃない?」って冷静になるでしょ。
近場に住んでいて、衝動的に自転車に乗って駆け付けるならまだリアリティがありますが・・・

「行政や既存のシステムは信用できない!私がなんとかしなくちゃ!」
というメッセージなんだとは思います。

もちろん、日本のシステムの中にはうまく行っていない部分はあります。
もしその問題点を描きたいのであれば、しっかりと調べて現実に沿って描くべきです。

「行政が信じられないので、女子高生が高知から東京まで1人で行って子どもを助けました!」
は中学生でもおかしいとわかります。

想像力もなければ、論理的思考もない最低なストーリーです。
どうしてこんなストーリーになったのでしょう。周りのスタッフは何も言わなかったのでしょうか?

理由2:空間の仮想世界〈U〉の設定の甘さ

サマーウォーズ』から『竜とそばかすの姫』へ!仮想世界<U>トリビア|シネマトゥデイ

 

最近はメタバースなども話題になり、空間の仮想世界〈U〉を舞台にするのは良いと思いました。
ただ、設定が甘すぎます。

まずアバターについて
「アバターは利用者のパーソナリティを表すもの」とされていますがモブはデフォルメされたロボットや動物なのに、主人公のアバターははバリバリのお姫様。主人公のアバターだけ優遇されすぎて不自然です。それならば他の住人も主人公のようなアバターがいてもいいでしょう。

竜の存在も不自然です。
空間の仮想世界〈U〉で暴れまくる竜ですが、それが不都合ならば運営が対処するべきでしょう。やっていることが明らかに規約違反(規約があればですが)なのに放置されている意味がわかりません。

自警団の持つ「アンベイル」もわけがわかりません。
アバターの素顔を晒す仕組みがそもそもある意味がありません。
仮想空間の意味ないやん。
そして、自警団がその能力を持っている理由も説明がありません。
「アンベイル」の機能があるなら、アカウント制限の機能を付けるほうが先でしょ。

主人公は自警団が探しても見つけられなかった「竜の城」を見つけだして会いに行きます。
いや、なんでやねん。そんなあっさり見つかるなら自警団が先に見つけるでしょ。

あと、竜がやっていることは単純な「荒らし」です。
50億人もユーザーがいてこの程度の「荒らし」を予想できなかったのでしょうか?
作中で描かれている程度の「荒らし」に対応できない仮想空間を50億人が使うとは考えられません。

などなど、終わりが見えません。
この作品を通して言えることですが、とにかく「設定がガバガバ」
ろくに設定も深く考えず、フィーリングだけで描いていることが伝わります。
小学生であれば楽しめますが、中学生にもなると「あれ?おかしいな」とすぐに疑問を持ちます。

理由3:田舎×女子高生×ネット空間はもう飽きた

竜とそばかすの姫 - 109シネマズ | 109CINEMAS

竜とそばかすの姫の設定は、田舎(おおかみこどもの雨と雪)、女子高生(時をかける少女)、ネット空間(デジモン ぼくらのウォーゲーム!)を混ぜたようなものです。

しかも今回は竜でしたがこれも熊(バケモノの子)と似ています。

ハッキリ言ってもう飽き飽きです。
ウケた話を何度も繰り返す酔っ払いのようです。
「この設定なら、ウケるに決まっている!」という過信と観客をバカにした態度が見て取れます。
まぁ、実際に売れたのだから観客はバカなのかもしれませんが。

しかし、クリエーターとして恥ずかしくないのでしょうか?
同じような設定で同じようなキャラを描いて。
「僕には新しいことを生み出す発想力がありません」と白状しているようなものです。
新しいことに挑戦しよう、まだ見ぬ表現をしてみよう、という意気込みはないのですか?

僕は竜とそばかすの姫を観て、

ああ、細田守監督はクリエーターではなく、サラリーマンなんだな

と納得しました。
お客様(観客)が欲するものを、効率よく提供する。
それを淡々を行っているだけに過ぎないんだと納得しました。

理由4:社会問題を描くが薄っぺらい

竜とそばかすの姫」レビュー 危険すぎるメッセージと脚本の致命的な欠陥(1/3 ページ) - ねとらぼ

細田守監督は特に社会問題をテーマとして作品に入れることを好みます。

竜とそばかすの姫では虐待問題や、ネットリンチ、SNS依存などが描かれていました。
どれもテーマとしては悪くはないのですが、どれも表層的で薄っぺらいのです。
結局どれも印象に残らず、何が言いたいのかもよくわかりません。

とにかく文字数を稼ぐために話の内容がコロコロ変わるFラン大学生の卒論みたいです。

たとえば虐待について書くなら田舎での虐待問題について掘り下げて書けばよかったし、SNS問題であれば高校生とSNSについて恋愛も絡めて書けばよかったし、ネットリンチであれば主人公が有名になって苦悩することを深めればよかったのです。

この程度の内容で「社会問題について描いた!」と細田守監督は本気で思っているのでしょうか?

特にネット関係については「荒らし」や「インフルエンサー」「SNSの虚像」などを書きたいのですが、あまりに薄っぺらすぎて

「細田守監督は最近初めてネットに触れたんですか?」
と思わざるおえません。

理由5:シンプルにストーリーが支離滅裂

シンプルにストーリーがクソなんじゃあ

千鳥ノブ、1142万円の愛車ベンツ運転姿 中条あやみも「噂のオープンカー」と反応 | ORICON NEWS
と千鳥のノブがツッコミそう。

空間の仮想世界〈U〉の作りこみが甘いし、そこでなぜ主人公・すずが有名になったのかも不明。
何でもできる親友が主人公をプロデュースした?都合よすぎでしょ。
なんで、主人公は竜に惹かれた?竜が苦しんでいるから?他の人も苦しんでいるでしょ。
そもそも、竜の正体をなぜ知りたいの? 竜の正体が引きこもり無職童貞40歳でも助けたのか?
アバターのままだと竜には伝わらない?訳が分からない。50億人に素顔晒す意味わかってるか?
で、虐待されている子どもの場所が特定できる。は?探偵やれや。
あと、虐待された子はどうなったの?めでたしめでたしなら、その後も書いてくれ。いいことした気分になって「後は野となれ山となれ」にしか見えないぞ。

シンプルにくそなんじゃ。

僕がここまでボロクソに書く理由

ここまで読んで、「なんでこんなにボロクソに書くんだ!」と気分を害した人もいるかもしれません。
僕がここまで酷評する理由は「細田守監督が好きだから(だった)」からです。

細田守監督の「時をかける少女」は僕の見た映画のなかでもベスト5に入ります。
音楽、映像、演出、どれをとっても最高でした。

それが竜とそばかすの姫ではこんなことになって・・・
本当にガッカリしました。

でも、一番恐ろしいことは、この酷いストーリーを周りの人が誰も止めなかったことです。
ストーリーが支離滅裂でめちゃくちゃなのは、中学生が見てもわかります。
それが、誰も「ちょっとおかしくないですか?」と忠告しなかったのです。

細田守監督は「裸の王様」になっているのかもしれません。

僕は会えるなら、竜とそばかす姫を作ったスタッフに「おかしいと思わなかったのですか?」と聞いてみたいです。思わなかったらスタッフ全員狂っているし、思っているけど言えなかったら組織体制がおかしいです。

一方で昔から一貫して細田守監督の音楽、映像、演出は飛びぬけて(それこそ日本1)上手いです。
竜とそばかす姫もストーリーがアレだっただけなので、今後ストーリーを考えてくれる「相棒」に出会うことができれば、現状を変えることができるかもしれません。