【ブルシット・ジョブ】「1日8時間、週5勤務」が100年変化しなかった理由

この記事は「ブルシット・ジョブ」の解説を行う記事です。

「ブルシット・ジョブ」の内容を知りたい方に向けてわかりやすく書かれた記事です。

(※この記事は2020年8月に更新されました)

 

どうも!DKOです。

僕はず〜〜〜っと疑問に思っていたことがありました。

DKO
なんでITやロボットが発達しているのに、労働の時間は昔から変わらないの?
ここ数十年で仕事の生産性は急上昇しました。
インターネットの普及で海外とも一瞬でやり取りができて、あらゆる知識が一瞬で手に入ります。
工場での袋詰めの作業や、裁縫、組み立てなども今やロボットがほとんどを担っています。
40年前までは想像ができないほど、便利な世の中になりました。
しかし、1919年に採用された「1日8時間、週5勤務」は2020年の今も変化していません。
いやいやいや、おかしいでしょ!
なんで電話も満足に使えないような時代と、AIがバリバリ活用されている今も同じ時間働いているのでしょう。
その疑問に答えてくれるのが、この「ブルシット・ジョブ」という本です。
なかなか難解な本ですが、この本を読めば上記のこと以外にも
「介護士や保育士のような大切な仕事の賃金が安いのはなぜ?」
「めっちゃ楽な仕事なのに、大金を稼げる仕事があるのはなぜ?」
「めちゃくちゃ暇な仕事をしていると、苦しいのはなぜ?」
などの疑問も解決することができます。
今回は「ブルシット・ジョブ」から学べることを要約してみました!

「ブルシット・ジョブ」とは

そもそも「ブルシット・ジョブ」とは何を指すのでしょうか。
その定義を具体例と共に説明します。

ブルシットジョブの定義

ブルシットジョブは
仕事をしている本人でさえ正当化しがたいほど無意味で、不必要で、有害でもある仕事。にもかかわらず、有益であるかのように振舞わなくてはならない仕事。
と定義できます。
そしてブルシットジョブは5つの類型に分けることができます。
1.取り巻きの仕事 (誰かを偉そうに見せるためだけの仕事)
2.脅し屋の仕事(無理やり需要を作り出してお金を払わせる仕事)
3.尻拭いの仕事(組織の欠陥の尻拭いだけをする仕事)
4.書類穴埋め人の仕事(意味もない書類をひたすら作る仕事)
5.タスクマスターの仕事(意味もなく仕事を振り分けたり、必要の無い仕事をでっち上げる仕事)
これらの仕事を皆さんにも心当たりがあるのではないでしょうか。
「他社もやっているから」という理由で意味もなく雇われているコンサル(取り巻きの仕事)や、将来の不安を煽って高額な保険を売りつける仕事(脅しやの仕事)、ただ仕事を振るだけで何もしない上司(タスクマスターの仕事)などです。

ブルシットジョブはなぜ辛いのか

ブルシットジョブは、全く意味の無い仕事です。
誰にも読まれない会報誌を作ったり、実現する可能性のない計画書を作ったり、何もない部屋を見張ったりする仕事です。
そう聞くと
読者
え、楽そうでいいじゃん!!
と感じるかもしれません。
しかしブルシットジョブは、人間の尊厳を破壊するほど辛い仕事です。
自分の仕事の存在価値がわからず、何をしても無駄という状況は人間にとってはかりしれないほど辛いものです。
「自分で穴を掘って、自分で埋める」という仕事のイメージが近いでしょう。
さらに、「無駄だ!」とか「暇だ!」と主張もできず、さも有益な仕事をしてるかのように振舞わなくてはならないことも辛いことです。

僕が経験したブルシットジョブ

ここで、僕が経験したブルシットジョブについてお話をします。
僕は仕事で、行政から1000万円で業務委託を受けていました。
しかしある時予算が余っていたことに気づいた上司に注意をされました。
上司
DKOさぁ、予算使い切らないと来期の予算減らされるから何でもいいから使えよ!
しかし僕の仕事はその時暇で、お金を使い道が全くありませんでした。
考えた末に、予算を使い切るためだけに高時給(時給1300円)でアルバイトを雇うことにしました。
しかしもちろんアルバイトを雇ってもまっっったく仕事はありません。
時給1300円で雇ったアルバイトは、一日中ネットサーフィンをして時間を潰していました。
しかしあまりの「ブルシットジョブ」に耐えられず、3日でそのアルバイトは退職をしました。
ここまで極端ではないにしろ、自分自身でも何をやっているのか分からない仕事はたくさんあります。
役に立たない資料やマニュアルを作らされた経験は皆さんも一度はあるのではないでしょうか。
ブルシットジョブは、多かれ少なかれ僕らの身の回りにあるのです。

なぜITやAIが発達しても、労働時間は短くならないのか

経済学者のケインズは1930年に「100年後には週15時間働けば十分に生きていける」と予想していました。
しかし100年前から変わらず、僕らは「1日8時間、週5勤務」を行なっています。
その理由はブルシットジョブが増えていることが理由です。
職種によって代わりますが、週15時間が必要な仕事だとしたら、残り25時間は「ブルシットジョブ」と言えるでしょう。
AIやIT化でどれだけ効率化されても、ブルシットジョブはどんどん増えていくので、結局労働時間は変わらないのです。
詳しく見ていきましょう!

なぜブルシットジョブは増えていくのか

効率化が進むとブルシットジョブが増えるって変な感じがしますよね?
その理由は「仕事のケアリング化」が理由なのです。
昔は単純に「数字化できる仕事」がほとんどでした。
靴を作ったり、切符を切ったり、服を作ったり・・・
しかし今は数字化できる仕事はほぼ全てAIやITで行うことができます。そうすると人間が行う仕事は「ケアリング」になるのです。
例えば切符を切るのではなく、駅内を案内することや、靴を作るのではなく靴の良いイメージの広告を作るようになるのです。
ケアリングの仕事は、人や物のケアやサポートをする複雑で曖昧な仕事なのです。
そんな複雑で曖昧な仕事を評価や管理をしようとするとどうなるでしょうか?
切符の切った枚数を数えたり、切符を切る人を管理することは簡単です。
しかし、駅内を案内する業務を評価したり管理しようとすると一気に難しくなります。
そのため「報告書を何枚も書く業務」や、「それを見る業務」「それを評価する業務」「それをまとめる業務」・・・と際限なく業務が増えていきます。
技術の進歩である分野の効率が上がっても、それを取り巻く「ケアリング」に関する業務が複雑化してしまうのです。
その過程で「ブルシットジョブ」が増えていくのです。

なぜブルシットジョブは減らないのか

ここまでの話を聞くと
読者
不必要な業務に経営者がお金を払うはずがない!!
と思う人もいるかもしれません。
それでは想像して見ましょう。
あなたはお菓子工場の経営者です。従業員が手作業でお菓子を作っています。
ある日技術の発展でロボットが自動でお菓子を作ることが可能になりました。
そこであなたは「よし!じゃあ必要のない従業員をクビにして、人件費が浮いた分商品を値下げしよう!!」
・・・・とはなりませんよね笑
きっと適当な仕事を作り出してでも雇用を維持しようとするのではないでしょうか?
経営者としては「雇用を無くす」ことに全くメリットがないので非効率でも何でも雇用は維持したいのです。
さらには浮いた費用で必要もないのに人を雇う場合すらあります。
経営者は、自分の従業員が増えることは喜ばしいことですからね。
こうして効率化が進む機会は、ブルシットジョブを増やす機会に早変わりするのです。
別の視点で考えれば、経営者には「労働者の時間を買っている」という考えが根付いています。

なので、たとえ生産性が向上して1時間の仕事が30分で終われば経営者視点では「損をしている」という感覚に陥ってしまうのです。

そんな感覚を持っているので、ブルシットジョブが生産性を増すごとにどんどん増殖するのです。

 

ちなみに仕事をでっち上げるとしたら、「管理職」を作るのが手っ取り早いです。
なぜなら「管理」という名の下には無限の仕事があるからです。
大企業などでは、何人もの「管理職」がいるのもこれが理由です。
このように
効率化が進むと、仕事がなくなる人が出るからかわいそうだよね!だからワザとゴミみたいな仕事をさせよう!
なんて考える一部のバカの極みのせいで、永遠に労働時間は短くならないのです。

週15時間勤務は可能なのか

ケインズの予想していた「週15時間で生きていける世界」は理論上は可能です。

全ての会社が一斉に無駄な仕事や人員を省き、その分商品やサービスの値段を下げることで、少ない勤務時間で全ての労働者が生きていくことができます。

しかし、経営者がそうする理由がありません。

経営者の多くが、社員が増えれば増えるほど良いと考えているからです。

ビジネスが順調なら、社員を減らしてまで商品やサービスの値段を下げたがる経営者はほぼいないでしょう。

 

よって現実的には、週15時間勤務は難しいと言えるでしょう。
僕らはどんどん効率化が進むにつれて、「無意味で、必要もなく、役にも立たない仕事」をする割合が増えていくからです。

介護士や保育士や教師の給料が安い理由

ブルシットジョブの観点から、介護士や保育士や教師の給料が安い理由も説明できます。
そもそもブルシットジョブが存在しているのは
「仕事は辛くて苦しいもの。だからお金が貰えるのだ!」
という考えが存在しているからです。
なので、全く無意味な会議に出席したり、3日後には捨てられる資料を作ってもお金が貰えるのです。
単純明快だった昔の労働に比べて、今は「ケアリング」という複雑で曖昧で数値化が難しい仕事が多くを占めています。
なので、お金を払う基準が「辛くて苦しくい意味のない仕事をどれだけ長くしたか」になってしまっているのです。
一方で介護士や保育士や教師は明らかに「意味のある」仕事です。
なので
意味のある仕事をしているんだから、それ自体が報酬でしょ?それ以上にお金なんて求めるなよ!
という考えを多くの人が無意識に持ってしまっているのです。
「やりがい搾取」という言葉がありますが、「やりがいがあるんだから、お金なんて払わなくていいでしょ」がまかり通っているのです。
こうした考えを世間の人だけではなく、当の本人たちも持っているので賃上げがなかなか進まないのです。

99%の管理職が必要のない理由

読者
あぁ、上司がいなければもっと仕事がスムーズなのになぁ
と考えている人は多いのではないでしょうか。
仕事は振るけど自分はしない、口先ばっかりで何もしない、言うことがコロコロ変わって現場を混乱させる・・・
そんな上司に悩まされている人は多いでしょう。
結論から話せば、99%の管理職は必要のない「ブルシットジョブ」と言えます。
ケアリングの領域の業務を「管理」することは難しく、メリットよりデメリットの方が大きいと言えます。
管理職がいたところで、無駄な報告や審査のレポート、承認システムで業務が煩雑になるだけなのです。
実際に日本でもお馴染みのアメリカのベンチャー企業「ウーバー」では、セクハラ問題で「CEO、最高執行責任者、最高金融責任者、最高マーケティング責任者」が辞任して、今も不在のまま会社は問題なく経営されています。
さらに2019年に大ヒットしたビジネス書「ティール組織」では管理システムは全て排除しながらも、最高の売り上げを記録し続ける組織を解説しています。
このように管理職は、「無理やり作り出された意味のない仕事」でありブルシットジョブである可能性が極めて高いのです。

AIは人間の仕事を奪うのか?

雑誌やテレビでは盛んに「AIが奪う仕事ランキング!」などを取り上げています。
AIに仕事が奪われると恐れている人が多い証拠でしょう。
それでは、AIは本当に人間の仕事を奪うのでしょうか?
それは1810年頃に、イギリスで起きたラッダイト運動を思い出せば答えはすぐにわかります。
ラッダイト運動は産業革命で機械に仕事を奪われた手工業職人が暴動を起こした事件です。
彼らも機械に職を完全に奪われると、恐れたのでしょう。
しかし現実は予想外でした。
確かに手工業の仕事はなくなりましたが、それ以上に多くの仕事が生まれました。
機械を作る仕事、整備する仕事、販売する仕事、機械操作のマニュアルを教える仕事・・・
当時は「銀行」や「コンサル」「Webデザイナー」なんて仕事は想像もできなかったでしょう。
このように、確かにAIは今ある仕事を代替してくれるようになるでしょう。
しかし、同時に多くの仕事が生まれることになります。
そして、今までの流れから見るとその仕事は「ブルシットジョブ」である可能性は決して低くはないでしょう。。

まとめ

この100年でインターネットの進歩などで生産性は大きく向上しました。
しかし100年前から労働時間は変わりません。
このことから言えることは
今、僕らのしている仕事の多くが「ブルシットジョブ」だ
ということです。
大切なことは自分の仕事を日々見直すことです。
自分の仕事のどの部分が「ブルシットジョブ」かを常に考えるようにしましょう。
自分のブルシットジョブを削ることで、心身ともに気持ちよく仕事ができるはずです。
一方で自分の仕事全てがブルシットジョブだと気づく人もいるでしょう。
その場合は・・・受け入れるか、転職をしましょう!
それでは!