「鬼滅の刃」が大ヒットした本当の理由は現代人の〇〇への憧れだった!?

この記事では「鬼滅の刃」の大ヒットの理由を最近のヒット作品との共通点から説明します。

鬼滅の刃の大ヒットの理由を知りたい人に向けて書かれた記事です。

(※この記事は2020年7月に更新されました)

 

どうも!DKOです。

少年ジャンプで掲載されていた「鬼滅の刃」が2020年の7月に単行本にて完結しました。

「本が売れない」と言われている現代で8000部を超える売り上げで社会現象にまでなりました。

漫画大好き人間の僕DKOも楽しく読ませていただきました。

 

しかし

DKO
これ、8000万部も売れるほど面白いか??
と思うのは僕だけではないはずです(ファンの皆さんごめんなさい!)
もちろん鬼滅の刃は面白いです。でもここまでヒットするほどの面白さの理由は正直よくわかりませんでした。
しかし何度も読んでいくうちに、鬼滅の刃のヒットの理由がわかりました。
それは「巨大組織」と「絶望」という題材です。
そしてこの題材は、他のヒット漫画「進撃の巨人」や最近人気沸騰中の「チェンソーマン」、映画「シン・ゴジラ」に共通します。
なぜ鬼滅の刃は現代でこれほどの人気を得たのか。その理由を説明します。

鬼滅の刃とは

「鬼滅の刃」は大正時代を舞台に、主人公が家族を殺した「鬼」と呼ばれる敵や鬼と化した妹を人間に戻す方法を探すために戦う姿を描く和風剣戟奇譚です。

2016年から2020年まで少年ジャンプで連載され、2019年からはアニメ化もされました。

単行本は全21巻で、発行部数は8000万部を超えます。

 

「呼吸」と呼ばれる剣術を扱うなどのいわゆる「能力物」の要素や、敵にも「十二鬼月」という位(ランク)があるなど少年誌の鉄板の要素を詰め込んでいる漫画でもあります。

一方で女性作家特有の凛々しくも可愛らしい絵柄は、バトル物でありながら女性ファンを多く惹きつけた理由にもなるでしょう。

 

 

またアニメ化が大ヒットの引き金となったという意見も多く見られます。

アニメ製作会社ufotableにより、アニメ化のクオリティはとても高く、少年ジャンプ購読者以外にも幅広くその人気が広がって行きました。

 

鬼滅の刃が現代で大ヒットした意外な理由

さて、鬼滅の刃が大ヒットした理由は大きく2つあります。

それは「巨大組織への憧れ」と「絶望という世界観」です。

これらの要素は、他のヒット作品でも共通して描かれてもいます。

 

巨大組織への憧れ

その昔、漫画のバトル物ストーリーは「仲間を集める」ことが鉄則でした。

ワンピースやドラゴンボールのストーリーを思い出してみてください。

ルフィーや悟空は自分で少しづつ、仲間を増やして時には挫折を繰り返しながら、成長していきました。

 

これは、スポーツ漫画でも同じです。

バスケットボールを題材スラムダンクや、野球「MAJOR」(メジャー)もそうですよね。

廃部寸前や弱小のチームが少しずつ強くなっていくのが漫画の鉄板です。

 

しかし鬼滅の刃は違います。

主人公の炭治郎は物語の序盤で、あっさりと鬼を退治するための舞台「鬼殺隊」に入隊してしまいます。

そして、そこにはひょっとすると鬼よりも強い剣士がたくさんいて、バッタバッタと鬼を倒していくのです。

 

おそらくひと昔前の主人公ならば

「俺は自分の力で強くなる!お前らの手なんか借りねぇ!」とか言って組織に入ることを拒むでしょう。

組織に入るルフィーや悟空は想像できませんしね笑

 

この「主人公が巨大組織に入る」という現象は他の作品でも見ることができます。

例えば、巨人と人間の戦いを描いて大ヒットとなった「進撃の巨人」でもエレン・イェーガーは「調査兵団」に入隊します。

最近話題沸騰中の少年ジャンプで連載中の「チェンソーマン」の主人公のデンジも「公安対魔特異課」に配属になります。

「キングダム」信も秦の国の軍隊で少しずつ出世していきます。

映画として大ヒットした「シン・ゴジラ」も主人公たちはもともと内閣府という組織に所属しながら、ゴジラ討伐に尽力を尽くします。

 

スポーツ漫画でも同じように、野球であれば「ダイヤのA」、サッカーであれば「アオアシ」などの最近人気の漫画は決まって主人公は名門校や有力クラブチームに所属しています。

 

これらの作品に共通して見られるように、現代では「巨大組織に所属すること」への強い憧れがあるのだとわかります。

現在はインターネットの発達もあり、昔のような「所属感」が希薄な時代です。

そして学校や会社に依存するのではなく「個人として強くあれ!」と声高に叫ばれています。

しかし皮肉なことに現代に生きる、特に若者は「絶対的に安心できる組織に所属したい」と願っているのではないでしょうか。

 

昔であれば、ルフィーや悟空のような組織に所属せず独自で道を切り開くものがヒーローとして崇められていましたが、現在では大きな組織のなかで自分の力を発揮できる人に憧れを持つのでしょう。

 

絶望と死の世界観

少し前までの漫画では、敵は少しずつ強くなるものでした。

そして少しずつ経験を積み、主人公も強くなっていくのが鉄板でした。

 

しかし、鬼滅の刃では最初から「鬼」が世界に蔓延っており、人間は弱い立場にあります。

「鬼」が基本的に日光以外では死なず、人間の武器は「刀」しかありません。

圧倒的な不利な状態から物語がスタートするのです。

 

これは進撃の巨人やチェンソーマンなど他の漫画でも同じことが言えます。

巨人や悪魔などに対して、圧倒的な不利で絶望的な立場が描かれています。

またキャラクターの多くが死に直面することも特徴として挙げられます。

今までは余程の事がなければ主要キャラクターが死ぬことはありませんでしたが、鬼滅の刃ではバタバタと死んでいきます。

あんなに強かった味方が死んでいく様子は、さらに絶望的な状況を際立たせます。

 

戦後から75年も経ち、日本を含めて大きな戦争は最近ありません。

中東では今も紛争があるものの、なかなか身近には感じられないのが実際のところでしょう。

経済は停滞して何となくボンヤリと暗いムードが漂うのが最近の日本なのではないでしょうか。

そのなかで過激なほどの絶望や死は、現代の日本人にスパイスとして刺激になるのでしょう。

 

まとめ

現代は「予測のできない不安定な時代」と言われています。

大企業に勤めることや、高い偏差値の学校に行くことが必ずしも正しいとは限りません。

大きな集団に所属することよりも、自分のスキルを磨いて生きる事が奨励されています。

 

しかしそんな「個を磨く」プレッシャーに多くの現代人が疲れてしまっています。

できる事なら、絶対的な組織に所属して安心がしたい、そして鬼滅の刃では悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)、進撃の巨人で言えばリヴァイのような最強の先輩に守られたいと思っているのではないでしょうか。

 

鬼滅の刃の大ヒットの裏には「信頼できる組織に所属したい」という現代人の欲望が隠されているのではないかと思います。

皆さんも考察があればぜひコメントお待ちしています。

それでは!