この記事は、勘違いされやすい『自分の小さな「箱」から脱出する方法』の本質について解説した記事です。
(この記事は2020年3月に更新されました)
久しぶりに衝撃的な本を読みました。
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』です。
たまたま書店でこの本を見つけて、数ページを読んで購入を即決しました。
職場の人間関係に悩んでいた僕にとっては、まさに「目から鱗」の本でした。
大なり小なり、人は人間関係に悩みを抱えています。
そしてこの本は、その悩みを「根本的に」解決する「画期的な」考え方を教えてくれます。
あまりにも画期的すぎるために、全ての人に理解されず、時に誤解されることがあるほどです。
今回は、この『自分の小さな「箱」から脱出する方法』がなぜ画期的なのかについて説明します。
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』の概要
この本は、人間関係が上手くいかない理由について説明した本です。
エリートサラリーマンの主人公が、自分の「間違っている」仕事の仕方や考え方を周りから学んでいくストーリーとなっています。
主人公がアメリカのエリートサラリーマンのため誤解されることも多いですが、この本の考え方は全ての人に当てはまります。
「箱」から出る方法がわかれば、全ての人が人間関係の悩みを解決できます。
「箱」とは何か
この本では「箱」という言葉が度々出て来ます。
「箱」の意味は、「あらゆる物事を歪んだ目でみている状態」を指します。
この状態であれば、自分のいいように物事を解釈して、相手を悪く思い込んでしまいます。
「自分は悪くない」「あいつとは馬が合わない」などの言葉は、「箱」に入った状態で発せられます。
僕はこの概念を知って、ハッとしました。
現在新卒で入ったベンチャー企業で働く僕は、かなり自由に働いています。
ベンチャーならではの社風で、自分であらゆる計画を実行して成果を出してきました。
上司や社長などは僕の働きに大きな期待をかけて、僕の働きぶりをサポートしてくれています。
一方で僕はその他の社員とぶつかる事もしばしばありました。
あまりに自由な僕の仕事の進め方や、発言が原因です。
僕はいつも
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』が誤解される理由2つ

評価: 2.0話題だったので読もうという単純な動機で読みました。
単刀直入に書きます
人を思いやってごらん。
を、ダラダラと書いた本です。
箱とは自己中心的な考えだと思ってください。
その箱を破った先に素晴らしい世界があるよと。
その世界とは普通に育てば身についている「思いやり」の世界です。
海外で高評価がつくのは分かります。自己中が多いと聞きますので。
しかし、日本で高評価がついていることに驚きです。
良い点を挙げるとすれば「思いやり」に溢れている日本に生まれてよかったと実感できるぐらいです。
評価: 3.5簡単には要約すると「人のことを思って行動しましょう」というところか。
「箱に入っている状態」=「自分のことしか考えていない」
「箱の外に出るには」=「相手の立場に立って行動する」
よくもこんな簡単なことをこれだけの文章にできたものだと感心する。
まあ、確かにソレは簡単なことではないかもしれない。しかし、他の啓発本には「人に親切にしましょう」なんて2ページで書かれている内容です。
読む価値がないとは言いませんが、解りづらくて、要約したときにガッカリしました。
感情移入できないから
この本は物語形式で進みますが、なかなか日本人には感情移入できないシチュエーションが書かれています。
この物語の主人公は、エリートサラリーマンのアメリカ人中年男性です。
ある企業のNO.2まで上り詰め、転職という形でライバル企業の幹部入りをします。
激しい出世争いを勝ち抜いた、タフな精神力と性格を持ち合わせています。
仕事は、個室をもらって秘書がつき、おそらく年収も1000万円は悠に超えているでしょう。
ここまで読むと、「自分とは縁遠い」「この人の性格だから問題が起きているのだ」と思っても仕方がありません。
しかしこの本の内容は、年齢や人種に関係なく有効です。
表面的なストーリーで判断する事は、もったいないです。
あまりに画期的すぎるから
もう1つの理由は、書いている内容が画期的すぎるからです。
この本は、簡単な言葉で書かれていますが理解する事は簡単ではありません。
僕も3回読み直して、やっと理解ができました。
さらっと一読するだけでは、この本の真の意味に気づくことはできません。
僕は暇があればビジネス本を読んでいますが、この本に書いてある事はどこにも書いてありません、
その画期的な内容について説明します。
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』の本質3つ
さて、この本の本質とは何でしょうか?
もちろん「他人を思いやりましょう」「人に優しくしましょう」ではありません。
全く違います。
人によっては、有名な「7つの習慣」の中にある「自分の反応は選べる」と類似していると考えるかもしれません。
しかし、それとも違います。
それでは、この本は何を伝えているのでしょうか。
「嫌なこと」など存在しない
従来のビジネス本などでは、嫌なことの対処法が書いてあります。
怒られた時の対処法や、嫌な人との付き合い方、失敗した時の立ち直り方です。
「相手の気持ちも考えましょう」「笑顔で接しましょう」「どう反応するかは自分で選べます」などが、書いてあります。
しかし、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』では全く別の主張をしています。
「嫌なこと」など存在しないという考え方です。
普通の本は、「嫌な事」は存在するとした上で対処法を提示しています。
しかしこの本では、「箱」に入ることで、嫌な出来事に「思える」と主張しています。
嫌な上司も、嫌いな同僚も、ウザいお局さんも、絶対的なものではなく自分がそう見ているだけなのです。
ある意味「嫌なこと」も「嫌な人」も存在していないのです。
従来の本:嫌なことに上手く対応しましょう。
この本:嫌なことなんて、ありません
問題はあなたの「箱」が原因
問題が起きる理由についても、この本の主張は画期的です。
従来の本では、「自分にすべての責任がある」「環境が原因だ」「システムの問題だ」などと書かれています。
一方でこの本は、自分の無意識の「箱」が原因としています。
この考えは「自分に責任がある」とは若干違います。
例を考えてみましょう。
道に空き缶が落ちています。
あなたは、何となくその空き缶を蹴りました。
その空き缶が転がった先にお婆さんがいました。
そして、お婆さんが空き缶を拾おうとしたら、ギックリ腰になってしまいました。
さて、これは誰の責任でしょう。
もちろんあなたは自覚も悪意もありませんよね。
空き缶を蹴ること自体は、何も悪いことではありません。
お婆さんが勝手に拾おうとして、ギックリ腰になっただけです。
でも、確かに缶を蹴ったことが、お婆さんのギックリ腰の原因です。
これと同じことを、この本は主張しています。
人間関係の問題も、あなたの「箱」が原因なのです。
「箱」自体は、人間は無自覚で入るもので、悪意もありません。
しかしその箱に入ることで、物事を歪んだ見方で見て、問題があるように「感じて」しまうのです。
人間関係の問題は、あなたが悪いのでも、相手が悪いのでもありません。
あなたの「箱」が問題なのです。
そして「箱」は自分がその存在を自覚するまで、出ることはできないのです。
従来の本:人間関係の問題は、あなたor環境が原因です
この本:人間関係の問題は、あなたの「箱」が原因です。
「相手のことを考える」とは「良心の声を聴く」ということ
最後に、「箱」から出る方法、もしくは入らない方法について解説します。
この考えも画期的でした。
この本の中では「相手のことを考える」と書いてあります。
これも、文字通りに受け取ってはいけません。
この言葉の本当の意味は「自分の良心の声を聞く」ということです。
僕らは社会で生きる人間として、良心を持ち合わせています。
席を譲る、仕事を手伝う、慰める、共感する
心の中では、実は何をするべきかがわかっているのです。
そして、その声に耳を傾けることで、「箱」からでることができます。
一方で、その声を無視すると、無視した自分に整合性をつけるために歪んだ見方をしてしまうのです
もちろん全ての良心に従うことはできません。
時には困っている人を見ないふりをしたり、ズルをしたり、皮肉を言ってしまいます。
その時にも「ああ、自分は良心に背いているな」「今は箱に入っているから他人が悪者で自分が正しいと思ってしまうぞ」と構えることができるのです。
フランスの小説家スタール夫人も「良心の声はいかにも細く、もみ消すことは簡単である。 しかしその声はあまりにも明解で、聞き間違えることはない」と言っています。
自分の良心の声を聴き、もしできなかったらそのことを自覚することで「箱」から出ることができます。
つまり人間関係は解決するのです。
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』は5回読め!
ここまで、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を解説してきました。
おそらく、この本を読んだことのない人にはチンプンカンプンだったでしょう。
ぜひ、興味が出たら買って読んでください。
そしてこの本を読んだことのある人は、5回繰り返して読んでください。
この本は簡単そうに見えて、とても奥の深い本です。
なんども読んでいくうちに、本当の意味が理解できます。
本当の意味を心の底から理解できた時、人間関係も根底から変わるでしょう。
それでは!